下呂温泉日帰り

高山本線

下呂温泉 日帰り
常日頃思うことだが、どこかの宿で一泊したとしても、なかなか何度も湯につかることができない。一度湯につかったとしても、そのあと食事になり当然のことながらビール等飲んで、もう旅の疲れでテレビでもボーっと見ながら寝てしまうのが落ちであり、結局のところ晩と朝に浸かるくらいで、あまり温泉に来た、という感じにならないことが多い。


湯けむり日本 温泉の旅 下呂温泉

それならいっそのこと有名温泉地を日帰りで出かけてみようということになり、下呂温泉に行くことになった。
ここで登場するのが青春18きっぷである。そうたびたび飛行機や新幹線を使うほど潤沢な予算があるわけもなく、安くていい旅、安くてコストパフォーマンスのいい宿を探すのが私のモットーであり、青春18きっぷは必要不可欠なアイテムであり強力な助っ人である。時には失敗だったと思うこともあるが、いい宿を見つけた喜びはまた一入である。
この切符は基本的に使用できるのが普通列車(各駅停車の他、快速・特別快速・新快速、つまり普通運賃だけで乗れる列車であれば使える)だけという制限はあるが、別の楽しみがある。列車の扉が開いて新しい客が乗車するたびにその地方の空気に変わっていく。例えば今回のルートで利用した東海道線の場合、大阪から進むと米原駅では関西弁だが、大垣駅では名古屋弁のような響きに変わる。米原駅大垣駅の間には天下分け目の関ケ原駅がある。この関ケ原のあたりが東日本と西日本の境目だというのを聞いた


『青春時代』森田公一とトップギャラン 東海道線関ヶ原駅~米原駅へ誘い

ことがあるが、まさしくその通りだと実感する。今回は、大阪~米原米原~大垣、大垣~岐阜、岐阜~下呂というルートである。
大阪~米原間は快速列車を利用した。新快速も使えたが朝早くから結構混んでいることが多く、短距離なら別だがやはりできるなら座って行きたい、との思いからである。途中の高槻駅を出たあたりから、山が視界に迫ってくる。サントリーの工場で有名な山崎駅を過ぎ、だんだん視界が広がってきて、桂川を渡ったら京都駅に着く。京都にはお気に入りのラーメン店があるのだが、朝早いことと今回の旅の目的ではないこともあり、


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後ろ髪を引かれる思いで京都駅を出発するとすぐにトンネルに入る。隣の山科駅は、東海道線湖西線の分岐点となる駅である。京都と滋賀の県境を貫くトンネルを抜けると大津駅である。滋賀県にも訪れてみたい場所がたくさんあるのだが、今回は止む無く見送った。
新幹線では琵琶湖はほとんど見えないが、在来線では大津を越えてしばらくの間結構視界に入る。少し山側に近いところを走りながら、時には新幹線を「早いなぁ。」と横目で見ながら米原駅に到着。今回の旅では初めての乗換駅である。米原駅は、JR西日本JR東海の境目の駅である。東海道新幹線の駅でもある。以前には本数は少ないものの大阪から直通運転の大垣行き快速電車もあったが、ダイヤ改正でなくなってしまった。米原大垣駅間は、それほど高い山はないが、山がちな地形で、列車はそれを縫うように走る。
大垣駅に着く頃には広大な濃尾平野が広がり始める。電車の中から南側、つまり三重県方面を見ると、途中に山らしい山がない。大垣市は水の豊かな街とのことであり、一度宿泊してみたい。大垣から特別快速豊橋行きに乗る。ただし大垣駅から岐阜駅まではわずか3駅である。


キハ58系・キハ28系 急行『たかやま』

岐阜駅から高山本線に乗り換え、いよいよ下呂へと向かう。ここからは電化されておらずディーゼル車となる。また、単線である。私は単線が大好きである。両側の視界が近くて特に緑の多いところではまるで包まれているような感覚になる。時々列車行き違いのため、途中美濃大田駅に止まる。美濃大田駅は中央本線多治見駅とを結ぶ太多線も乗り入れている。美濃大田駅にはお気に入りの釜飯を売る眼鏡を掛けたおじさんがホームにいたはずなのだが今回はいなかった。
ここから先はまさに奥飛騨へと向かうにふさわしい、森林帯を駆け抜けていく。眼下のかなり深いところを川が流れ、時々それを跨ぎながら列車は進む。視界が開けてきたところに下呂駅はある。
下呂駅から温泉街へは線路をくぐる地下道があり、そこを抜けるとすぐである。まさに温泉地に来たという感がある。 
下呂温泉は、少しヌルッとした感じもあるが、比較的浸かりやすい、バランスの良い湯だなと思う。その効能などは温泉マイスターにまかせよう。お気に入りのケイちゃん(鶏肉に味付けしたもので、お土産品としてもなかなか良い)を買って、来た道を戻った。